私がSFを読み始めるキッカケとなった欠かせない一冊です。南北戦争後、南 軍騎兵隊のジョン・カーター大尉が、戦の神の星火星へ突然空間移動してし
まい、そこで繰り広げられる荒唐無稽のスペースオペラ(すでに死語化しつつ
ありますが)大活劇です。腕が四本もあるバケモノのような緑色人種がいるか
と思えば絶世の美女デジャー・ソリスのいる赤色人種、悪の女神イサスを祭る
ブラックパイレーツと呼ばれる黒色人種と、各色の人種が入り乱れて相争う中
ジョン・カーターが緑色人種の盟友タルス・タルカスと共に火星を統一し、デ
ジャー・ソリスと結婚して火星の大元帥となるというお話なのです。E.R.バ
ローズは「ターザン」を書いた人で、簡単に言ってしまえば、ターザンが火星で
大暴れすると考えていただければ、話は早いと思います。そんな訳ですからこ
の本を読むときには、細かいことをいちいち考えていてはいけません。その余
りの荒唐無稽さを全て受け入れて楽しむという広い心で読んでください。この
本はそういう楽しさの味わい方を教えてくれた本なのです。ちなみにこの火星
の大元帥ジョン・カーターの愛犬キャロットのウーラのイメージから、スッタフォ
ードシャー・ブルテリアを飼ってみたいと思うようになり、HANAが家にやってく
ることになった という意味でも欠かせない一冊なのです。
本の写真が2枚載せてありますが、上は角川文庫製のものです。当時何故か
1巻目だけは角川のものを買ったようです。もちろん2巻目からは、武部本一郎
氏のイラストに惹かれて創元SF文庫の方を買いました。下の写真は、創元SF
文庫より火星シリーズの最初の3部作が合本版となってでたのがうれしくて買
ってしまったもので、現在はこれしかないと思います。また私が読んだ創元SF
文庫の火星シリーズは翻訳者が小西宏氏でした。しかし1700円は高いです。
角川の1967年出版のものは150円、創元SF文庫の2巻目「火星の女神イサ
ス」も 180円です。
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