Candy
boy - prototype
PR-Vの製作から6カ月Candy boyのprototypeがやっと完成しました。
PR-VではこれまでになかったMPMとしての完成度を得られた、という思い
から、MPMを始めるきっかけとなった茶運び人形においてもそれを実現した
いと思い立ち、再度チャレンジすることを決めました。
PR-Vが納得できるものとなった要因に、ゴムの動力と紙の機械要素とい
う限られた制約の中で、最も優先すべきは負荷をいかに減らすかということで
した。その実現には小型化して基本的な負荷を減らすこと、機構を単純化して
メカ的なロスを減らすことなどがあり、その為には必要最小限に機能そのもの
を絞ることまで考えなくてはいけないということでした。
そこで茶運び人形においてもまず小型化するために、お茶を運ぶというので
はなく、テーブル上でお菓子などを運ばせるというコンセプトとしました。これを
基に走行距離を決め、車輪径、ギア比といった基本的な設計値を決めていき
ました。メカ構成は、以前作った茶運び紙人形を基に設計製作しました。ところ
が、最終調整の段階で動力と調速のバランスがとれず見事に失敗してしまい
ました。茶運び紙人形はそのスケールも含めて成立していたということを改め
て思い知らされ、ここまでの3カ月間の努力は水泡に帰しました。とは言えここ
でやめてしまえばそれこそ何も残りません。失敗はその分成功の可能性を高
めるのだと無理やり納得して作業を続けることとしました。
茶運び紙人形の延長線上では納得のいくものは作れないとはっきりして、全
てをゼロから考え直すしかないと覚悟を決めました。まず茶運び紙人形製作当
初から問題だった、ゴムのテンションによる動力の取り出し方法から、PR-Vで
使ったゴムのトーションによる動力の取り出し方法へと変更し、それに伴う、動
力軸、駆動輪軸、シーケンスカム軸、調速軸という各軸間のギア比を最もシン
プルになるように決めました。そして負荷を最小限とするための小型化にあたっ
ては、ギアのモジュールを0.8とより小さくし、ギアの作り方にも新たな工夫を
施しました。その為最終的に残ったのは、茶運び人形のコンセプトだけで、メカ
的には全くの別物となり、未だ動作の安定性は微妙ですが、何とか納得のいく
レベルものとなりました。ここまでに3か月、PR-Vからすでに半年もたってしま
い、まだホワイトボディの状態ですが、まずは動作だけでもお披露目しようと思
います。
動画では、ロボットが持つお盆の上にCandyを乗せるとスタートし、Candy
を取るとその場で停止します、そして再びCandyを乗せるとUターンして戻る
という、茶運び人形ではおなじみの動作です。
メカ部の詳細動作の動画を追加しました。
メカ部の詳細動作 Candy搬送動作
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