PR−] Titan

MPR−1のMaking Reportにも書いた、「やりかけだったもの」が何とか形になりました。

PR−]となりましたが、構想自体は古く、PR−Zの後ぐらいから考えていました。PR

シリーズは、いつの間にか紙ロボットの歩行について展開するような方向性になってい

ましたが、その中でPR―X方式の可能性を試すという意味で考えたのが大型の紙ロ

ボットいうことでした。しかしそれはあまりに大変そうに思え、まずは歩行のバリエーション

として、PR−Tを作る時に候補の一つとして考えていたWクランクのコの字足というP

R−[を先行して作ってみたのでした。その後、意を決してPR−]の設計にかかりま

した。大型ということで、とりあえず高さが1mは超えるよう、全高約160mmのPR−X

の7倍のスケールを基本に全体の構成を考え、各部品はA4(手持ちのプリンタの印刷

できる範囲)のケント紙で作ることにして、詳細を決めていきました。しかし単純に大型

化しただけでは強度不足なわけで、各部品を作ってみて確かめながら最終形状を決

めていくという、試行錯誤状態で作業は遅々として進みません。回転軸は、それなりの

太さの木製の丸棒で考えていたのですが、実際にはかなりの重さになってしまうことが

わかり、PR−Wで考えた正三角柱を6本貼り合せたハニカム構造のような正六角柱と

すべく、数種類のサイズを試作して強さを確認しました。その為ベアリングは、各軸に現

合で作るしかありませんでした。また当初決めたギアレシオで歯車を試作してみると、

ど〜も動力的に心もとない気がしてきて、ギアレシオを上げることにしました。その為ギ

アのモジュールから見直すことになり、せっかく作ったギアも日の目を見ることもなくお蔵

入りとなりました。再度設計し直した大歯車は、直径Φ260mm、歯数200、A4ケント

紙を20枚ほど使い製作に1週以上かかるというものになりました。このまま夜なべ作業

で作っていたらどれだけ日数がかかるかわかりません。作るにつれてモチベーションは

落ちる一方です。歯車を数種類作ったところで、とうとう一時中止することにしました。

そして換わりに作ったのがPaper Sweeperでした。その後もログのセルフビルドを始めて

しまい、Titanどころかペーパーロボットどころではない状況になってしまい、PR−\を経

てようやくTitanの製作を再開したのは、昨年の春でした。製作を再開したものの、フ

リーの身になったとはいえやはり作業は膨大で、行き詰るたびに気が付くとMPRを作っ

ていたりしてここまで伸びてしまったのでした。

 足かけ4年の歳月とA4ケント紙300枚以上、木工用ボンド大(180g入り)3本半、動

力用ゴム16m(調整に使った分を含めると3/4ポンド以上)を費やして、全高1150

mm、全幅750mm、全長550mm、総重量2.9kgのペーパーロボットがようやく形に

なったのでした。

 製作の経緯等については、いずれまとめたいとは考えていますが、上記したようにPR

−Xの歩行方式の可能性を示すということで始めたわけで、機構の構成はPR−Xと

同等になっています。シャフトも紙ということなのでPR−9と同じと言った方がいいのか

もしれませんが・・・。それはともかく、大型化したことで変更せざるを得なかった?ところ

が一か所。それは動力ゴムの取り付け方です。当初は、これまで作ってきたPRシリー

ズと同じように、動力軸の一端にゴムを取り付けていたのですが、ゴムを巻いても動きま

せんでした。動力が弱いのかと思い、ゴムを強化したり、たくさん巻いたりしてみましたが

ピクリとも動きません。いろいろ試しているうちに、どうもゴムの張力により動力軸のスラス

ト方向にこれまでにない強い力が発生し、軸受との間にかなりの摩擦力が発生している

ことに思い至りました。動力ゴムを強化すれば、その分摩擦力も増大して動かないとい

うことです。そこでフレームの構成を作り直して、動力軸の両端に動力ゴムを配置して、

ゴムの張力をお互いに打ち消し合う構造にしてこの問題は解決しました。その他 大型

故の問題点とその改善策のお話等もありますが、それはまた日を改めて・・・。あえて一

言で言ってしまえば、やはりゴム動力で動くペーパーロボットは、動力と負荷のバランス

が全てということに尽きるようですね・・・。

 さて数年にわたる懸案事項に何とか結果を出しましたが、ここにきて想定外の大きな

問題が残ってしまいました・・・。それは、Titanはデカいのです。まあ大きく作ったので

当り前と言えば当り前なのですが、保管場所がないのです。ただでさえ狭い部屋で、か

なりの存在感というか圧迫感があります。もしかするとこれがTitanにおける最大の問題

点と言えるのかもしれません・・・。今回大型のペーパーロボットについてはかなりの知見

も得てさらに改善すべき点もわかりましたが、この問題も含め 今後大型のペーパーロ

ボットには、当分?手を出さないようにしようと思っている今日この頃です。

 

動画で歩行の様子と各部の動きをご覧ください。

 

 

         

 

 

 

         

 

 

 

         

 

 

 

 
     画像をクリックすると動画をみることができます。 

 

         

 

 

 

 


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