茶運紙人形の作り方公開にあたって 「茶運紙人形の作り方」は、MPMを始めるきっかけともなった、紙による茶運び人形(Galleryをご覧ください)の製作をまとめてみようと 始めたものでした。しかし以前使っていたパソコンがクラッシュしてしまった際、一部のデータが失われ、肝心の図面や展開図を書いていた簡易CADソフトも新しいOSに対応できるバージョンもなく、そのままになっていました。この度 偶然にもCADデータを読み出し、PDF化することができました。とは言え私にとってはすでに懐かしさ以上のものではなくなってしまっており、保存しておくだけではこれまでと同じではないかという思いから公開してみることにしました。 内容的には、以前「LIVE」等として連載したものを中心に 図面や展開図等を追加してまとめたものになっています。改めて図面を修正することもできず製作中に修正した箇所等が図面に反映できていないところもありますが、そこは想像で補っていただき、Freeということでお許しいただきたいと思います。また図面及び展開図は「LIVE」にある2体目の茶運紙人形を製作したときのものであり、Movie Galleryにある茶運紙人形のものですので、作っていただければちゃんと動くものです。しかし「茶運紙人形の作り方」をまとめるに当たり、スピードが速すぎるのではないかという思いから、下の写真にあるようにガンギ車を9ピンから13ピンに変更しました。結果的には著しい改善はみられませんでしたが、以前よりはスピードを抑えることができました。しかしその部分の図面データはパソコンがクラッシュした際に失われてしまいました。ガンギ車のピン数を増やすだけなので作る時は、13ピンで作ることをお勧めします。その際は、ピンの太さをφ2となるようにして、ピン間の隙間を広げ、天符の爪の振り幅を確保してください。 また茶運紙人形の最新の知見としては、昨年下の写真にあるスケールダウンをした茶運紙人形を作ったのですが、見事に失敗をしております。本来茶運び人形は畳一畳分の広さにおいて機能するわけですが、それをテーブル上で使えるものにしようと試みたのですが、3カ月間の奮闘もむなしく、動力と負荷のバランスを取ることができませんでした。ゴムの張力を駆動源とした茶運紙人形は、初期のスケールにおいてのみ成立していたということを自ら証明した格好になりましたが、おかげでCandy Boyを作ることができたと思うことにしました。 最後に 茶運び人形はロボットブームにのって、一時江戸期のハイテクロボットなどともてはやされていましたが、その割には紋切り型の紹介ばかりなのを残念に思っていました。そこで「作り方」をまとめるにあたっては、設計の部分で機械的な機能を私なりに解説してみたつもりでいますが・・・。そんな思いもあり、この「茶運紙人形の作り方」がペーパーモデルとしてばかりではなく、茶運び人形そのものを理解していただく一助になればと願っています。
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